カタクリ
[ カタクリ ]
ユリ科の多年生草本。東アジアに分布し、日本では北海道、本州で見られるほか、四国、九州の山野でもまれにみられる。高さは10〜20cmで、葉身にはウズラ卵の模様に似た紫斑がある。花期は4〜5月で、薄く鮮やかな紫色の花被片6枚の花がややうつむいて開く。早春の明るい広葉樹林の下で葉を広げ、林床が暗くなると地上部を枯らす典型的な春植物。
地下深く潜る鱗茎からは良質のデンプンがとれるので、かつては片栗粉として料理などに用いられたが、現在市販されている片栗粉は量産されたジャガイモのデンプンである。
ハナバチやギフチョウなどの昆虫によって受粉される虫媒花。カタクリの種子にはエライオソームと呼ばれるアリの誘引物質を含む付属体があり、それを餌とするアリに運ばれるアリ散布植物でもある。カタクリの繁殖には、こうした動物の存在が不可欠。近年、雑木林の荒廃による生育環境の悪化が懸念されている。