サーマルリサイクル
[ サーマルリサイクル ]
廃棄物を単に焼却処理するだけではなく、焼却の際に発生するエネルギーを回収・利用すること。廃棄物の焼却熱は、回収した廃棄物を選別した後の残渣処理にも使われる。
マテリアルリサイクルが不可能なために廃棄物を焼却した場合、その排熱を回収して利用することは、欧米では早くから一般に行われていた。戦後、日本もこれに倣って、1970年代以降徐々に清掃工場の排熱利用が普及してきた。代表的な手法に、ごみ発電やエコセメント化があるが、温水などの熱源や冷房用のエネルギーとして利用することも多い。
熱はエネルギーの移動であり、熱回収は、有機物のなかに蓄えられている化学エネルギーを熱エネルギーに変えて放出させ、特定の目的に利用することであり、しかも、その変換は物質を消滅させる方法の一つであるから、欧米では、通常、燃焼をリサイクルの概念には含めない。また、この場合、廃棄物の焼却は化石燃料代替としての意味をもつが、ドイツでは、清掃工場の熱回収は、ボイラー効率75%以上、プラント効率(エネルギー利用率)70%以上に規制されている。