ハシボソガラス
[ ハシボソガラス ]
スズメ目カラス科。一般には本種とよく似たハシブトガラスと区別されずに、両種合わせて単にカラスと呼ばれることが多い。ハシブトガラスより、嘴が細いことからこの名がある。ハシブトガラスが「カーカー」と澄んだ声で鳴くのに対し、本種は「ガーガー」と濁った声で鳴く。留鳥として九州以北に分布し、ハシブトガラスとよく似た環境にも生息するが、耕作地や河原など開けた環境を好む傾向がある。雑食性であるが、木の実や草の実、昆虫類などを好んで採食する。
都心部ではゴミを荒らすハシブトガラスが問題となっているが、農村部では農作物に被害を与える本種も問題となることが多く、平成11年度の統計では約33,000羽が有害鳥獣駆除により捕獲されている。本種は、道路にクルミを置いて走ってくる車に轢かせて殻を割り中身を取り出したり、貝を空中より落下させて割り、身を食べるといった知恵を見せることが知られている。