フロン

[ フロン ]

解説

フロンは、炭化水素の水素を塩素やフッ素で置換した化合物(CFC、HCFC、HFC)の総称で、このうち水素を含まないものをクロロフルオロカーボン(Chlorofluorocarbons; CFCs)と呼んでいる。
これらの物質は、化学的に安定で反応性が低く、ほとんど毒性を有しない。また揮発性や親油性などの特性を持っており、冷蔵庫などの冷媒、半導体などの精密な部品の洗浄剤、ウレタンフォームなどの発泡剤、スプレーの噴射剤などとして幅広く使用されてきた。
しかし、特定の種類のフロンは対流圏ではほとんど分解されずに成層圏に達し、そこで塩素を放出してオゾンを酸素原子に分解することがわかってきた。これがいわゆるオゾン層の破壊である。
こうした状況を受け、オゾン層の保護に関するウィーン条約やオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書により規制が進められることとなった。国内でも、オゾン層保護法(1988)やフロン回収・破壊法(2001)などにより対策が進められている。

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