動物のふん尿
[ ドウブツノフンニョウ ]
畜産(家禽・毛皮獣を含む)農業から排出されるものは、産業廃棄物に該当する。有機物、窒素、リンが豊富に含まれているため、昔から厩肥として利用されてきた。このため産業廃棄物のなかでは、もっとも再生利用率が高く、最終処分率がもっとも低い。
家畜・家禽などのふん尿を、肥料や燃料として有効に利用できるようにするには、幾つかの方法がある。(1)乾燥法:乾燥し減容軽量化して肥料として販売するが、付加価値が低く、乾燥時の臭気対策が必須となる。(2)堆肥化法:植物性の堆肥と混合させて比較的均一な有機質肥料を生産する。(3)好気的スラリー処理:十分に通気を行い、液状厩肥を生産する。(4)メタン発酵法:悪臭の少ない厩肥と燃料に利用できるメタンガスとを同時に回収する。02年にはメタンガス発電に対する助成が決まった。(5)汚水処理法:活性汚泥処理法や散水濾床法。(6)土壌処理法:土壌浸透蒸散法や酸化池法。条件によっては、異なる処理法を組み合わせることもある。