商業捕鯨
[ ショウギョウホゲイ ]
クジラを捕獲・利用する産業は10世紀に確立した。商業捕鯨はその漁法により、(1)手投げ銛を使って仕留めて陸上で処理をする古代捕鯨(オランダ捕鯨)、(2)銛を使って仕留めた後に船上で油を絞るアメリカ式捕鯨、(3)大砲を使って銛を打ち込む近代捕鯨(ノルウェー捕鯨)の3つに分類できる。当初の捕鯨産業の主な生産物は、灯油やろうそくとして利用する鯨油と、コルセットやペチコートの材料として利用するクジラひげであった。
日本では、1945年、国際捕鯨協定の全面的遵守と、捕獲したクジラを最大限食糧として国民への供給を条件に、マッカーサー・ライン(戦後、日本の漁船が操業できる海域を規制した線)内での捕鯨が許可され、その後、捕鯨産業は活発になっていった。しかし、1982年に国際捕鯨委員会(IWC)で商業捕鯨モラトリアム(一時停止)が採択されたため、1988年以降はIWC規制対象外の沿岸小型捕鯨を除き、日本の商業捕鯨は行われていない。