国際がん研究機関
[ コクサイガンケンキュウキカン ]
世界保健機関(WHO)の付属組織。1969年、人への化学物質の発ガンリスクの評価と、個々の化学物質に関するモノグラフ(専門書)を作成することを目的に発足した。その後、化学物質の混合物や放射線、ウイルスなど化学物質でないものの評価も実施するようになっている。
評価プロセスは、まず、人に対する証拠と動物に対する証拠を別々に評価し、その結果をもとに発がん性分類への総合評価を行っている。
化学物質のヒトに対する発がん性について、(1)あるもの、(2A)あると見込まれるもの、(2B)可能性があるもの、(3)発がん物質とは分類できないもの、(4)ないと概ねみなせるもの の5つのランク付けをしている。
ダイオキシン類の中でも最も毒性が強いとされる2,3,7,8-TCDDについては、過去の事故などにおける高濃度暴露の際の知見から人に対する発がん性があるとしている。なお、ダイオキシン類によるがん化のメカニズムは、ダイオキシン類が遺伝子に直接作用してがん化(発がん作用)を引き起こすのではなく、他の発がん物質による発がん作用を促進する作用(プロモーション作用)であるとされている。