小笠原

[ オガサワラ ]

解説

東京の南方約1,000kmの太平洋上に散在する大小30余の島々からなる地域の総称。東京都小笠原村に属し、一部を除きほぼ全域が小笠原国立公園に指定(1972)されている。海洋により隔絶された島嶼であることから、ムニンノボタン、オガサワラオオコウモリ、メグロなど固有の動植物が分布し「東洋のガラパゴス」と呼ばれているが、近年はノヤギ、アフリカマイマイなどの移入種による影響が生じており対策が急がれている。また、東京都が計画していた空港建設は、貴重な自然環境に多大な影響を与えるとして議論を呼んだが、2001年に計画が撤回され、代替の交通手段として、高速船の就航が計画されている。
2003年、環境省と林野庁は共同で「世界自然遺産候補地に関する検討会」を設置し、日本に今後5年程度の間に新たに世界自然遺産として推薦できる地域があるかどうかを学術的知見から検討した。その結果、小笠原は知床、奄美・沖縄とともに世界自然遺産の候補地(世界自然遺産としての資質がある)としてリストアップされたが、その保護管理上の問題等から、まだ政府として推薦する段階には至っていない。
2004年には、小笠原に生育する植物のうち8種(ムニンツツジ、ムニンノボタン、アサヒエビネ、ホシツルラン、シマホザキラン、タイヨウフウトウカズラ、コバトベラ、ウラジロコムラサキ)が「種の保存法」に基く「国内希少野生動植物種」として指定された。

詳細解説

EICネット 環境用語集