水俣病

[ ミナマタビョウ ]

解説

1956年に熊本県水俣湾周辺の住民に発生が報告された、手足の感覚障害、運動失調、求心性視野狭窄などを主症状とする中毒性の中枢神経系疾患。
 チッソ水俣工場のアセトアルデヒド製造工程で使っていた無機水銀の触媒から生じた微量のメチル水銀が工業排水として水俣湾に排出され、生物濃縮を経て魚介類中にメチル水銀が蓄積し、それを大量に食べることによって発生した公害病である。
 メチル水銀中毒の母親から胎盤を経由してメチル水銀が胎児へ移行し、言語知能発育障害、嚥下障害、運動機能障害を示す子供もみられた。これを先天性水俣病という。
 公害健康被害補償法の認定患者はこれまでに2,265人(2002年2月末現在の累計)に及ぶ。また、1964年ごろから新潟県阿賀野川下流域でも同様の症状を示す患者が発生し、第2水俣病または新潟水俣病と呼ばれている。

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