環境的に持続可能な交通
[ カンキョウテキニジゾクカノウナコウツウ ]
環境的に持続可能な交通の実現を目指し、OECDが1994年に開始した国際プロジェクトによって用いられるようになった用語。「再生可能なレベル以下でしか再生可能な資源を使用せず、再生可能な代替物の開発レベル以下でしか再生不可能な資源を使用しないことにより、人々の健康と生態系を危険に曝さずにアクセスに関するニーズを満たすような交通」と定義される。
OECDはこのプロジェクトにおいて、まずESTビジョンと長期的シナリオを策定し、そこからバックキャスティング(将来から現在を振り返る)によって実現可能な対策・戦略を決定するという、ESTアプローチを提唱している。また、ESTの実現のためには、革新的な技術開発とともに、交通の質の改善、都市や社会の構造改革、人の行動のあり方をも見直すべきであると指摘している。2001年にはESTガイドラインを打ち出し、各国政策担当者に対してESTの実現に向けた政策検討を推奨している。ESTの推進取り組みの1つとして、2003年3月には日本でもEST名古屋国際会議が開催されており、現在も世界各地で取り組みが進められている。