生物多様性条約締約国会議
[ セイブツタヨウセイジョウヤクテイヤクコクカイギ ]
生物多様性条約を締結(批准)した国による会議。1992年条約制定時のいわゆる南北対立の結果、資金メカニズム、クリアリングハウスメカニズム、バイオセイフティなど条約実施のための詳細が積み残しとなった事項が多く、これらは締約国会議に委ねられた。1994年から1996年までは事務局など条約実施体制の基礎固めのため毎年開催されていたが、その後は2年に1回の開催となっている。また、バイオセイフティなど課題の必要に応じて、特別締約国会議(Extraordinary Meeting of the Conference of the Parties: ExCOP)も開催されている。
2000年にはバイオセイフティに関するカルタヘナ議定書が採択され、2004年に発効している。また、2002年のCOP6(ハーグ)では、「2010年目標」が採択されている。この目標は、現在の生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させるというもので、同年に開催されたヨハネスブルグサミットの実施計画にも盛り込まれた。
2007年現在のCOP開催経緯は、COP1:ナッソー(バハマ、1994年11〜12月)、COP2:ジャカルタ(インドネシア、1995年11月)、COP3:ブエノスアイレス(アルゼンチン、1996年11月)、COP4:ブラチスラバ(スロバキア、1998年5月)、ExCOP1:カルタヘナ(コロンビア、1999年2月)およびモントリオール(カナダ、2000年1月)、COP5:ナイロビ(ケニア、2000年5月)、COP6:ハーグ(オランダ、2002年4月)、COP7:クアラルンプール(マレーシア、2004年2月)、COP8:クリチバ(ブラジル、2006年5月)。COP9は08年にドイツ・ボンでの開催が決まっている。
日本では、2010年に開催されるCOP10およびカルタヘナ議定書第5回締約国会議(COPMOP5)の招致について07年1月に閣議了解し、国内開催候補地を愛知県・名古屋市に決定している。なお、2010年は「生物多様性2010年目標」の達成年であると同時に国連の生物多様性年とされる予定もあるなど生物多様性に関して国際的に節目の年と位置付けられる。