遺伝子組換え生物
[ イデンシクミカエセイブツ ]
DNA組換え技術やDNAクローニングなどによってDNAに加工を施された生物のこと。「遺伝子組換え生物」「遺伝子改変生物」「遺伝子操作生物」などとも言われ、「LMO」と略称されることもある。生物多様性条約ではGMO(Genetically Modified Organism)の用語が、カルタヘナ議定書ではLMO(Living Modified Organism)の用語が使用されている。
微生物の医学的利用をはじめ、近年では農作物などにも応用されはじめている。特に除草剤耐性や害虫抵抗性などの遺伝子を導入された農作物への応用では、遺伝子組み換え作物などともいわれる。
こうした生物の利用については、食品等としての人体への安全性や、遺伝子操作の倫理的問題、操作を受けた遺伝子の自然生態系への流出の危険性などが指摘されている。
このような問題に対処するため、生物多様性への悪化防止を目的とした「カルタヘナ議定書」が2000年1月に開催された生物多様性条約特別締約国会議において採択され、2004年2月に発効した。これを受けて我が国は同議定書を国内で実施するため、2003年6月に「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)を制定し、条約発効と同時に施行した。