酸性雨

[ サンセイウ ]

解説

狭義にはpH5.6以下の酸性の雨を指す。広義には、酸性霧や酸性雪も含めた湿性沈着全体をいう場合もある。さらに広義には、乾性沈着を含めた酸性降下物全体を指すこともある。また、ヨーロッパでは、二酸化硫黄(SO2)、オゾン(O3)などの大気汚染総体について、代名詞的に「酸性雨(もしくは酸性降下物)」と呼ぶこともある。
中性はpH7.0であるが、大気中の二酸化炭素が炭酸イオンとして雨水に飽和状態になった時に、pH5.6を示すため、酸性雨はpH5.6以下と定義づけられている。しかし、海洋地域などでは自然発生源により、pHのバックグラウンドは5.6より低く、5前後になると指摘される。
酸性の原因は硫酸や硝酸であり、自動車、工場、発電所、ビルのボイラーなどで石油や石炭を燃やすとき、二酸化硫黄、窒素酸化物などの汚染ガスが大気に放出される。これらは大気中で硫酸や硝酸に変わり、雨水に取り込まれ酸性雨となる。

詳細解説

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