里山林

[ サトヤマリン ]

解説

集落近くにあり、薪炭用木材の採取や山菜取り、また、落ち葉を肥料として利用するなど、地域住民の生活と密接に結びついて存在している森林の総称。クヌギやコナラを中心とする落葉広葉樹の二次林、アカマツの二次林などが多い。これに対し人里離れた場所にある森林は奥山と呼ぶ。
国土総合開発法(1950)に基づく「第4次全国総合開発計画」(1987年閣議決定)では、森林を奥山天然林、都市近郊林、里山林、人工林の4つに区分している。里山林にはナラ類やシイ・カシ類の優占する雑木林、鎮守の森のような照葉樹林も含まれ、地域により独自の景観を形成する。
燃料革命以降、里山林への生活の依存度が急減し、荒廃や粗大ゴミの投棄などが目立つようになった。しかし近年、環境保全上の価値および歴史・文化的価値が見直されつつある。「新・生物多様性国家戦略」(2002年3月政府決定)においても里地・里山の重要性が述べられている。

詳細解説

EICネット 環境用語集