重金属汚染
[ ジュウキンゾクオセン ]
重金属(比重4〜5以上の金属)による土壌や地下水、公共用水域などの汚染は、高度成長期に多発し、主に工場や鉱山からの廃水等を原因とした産業型公害として深刻化した。その後、廃水・排煙の規制は進んだが、土壌中汚染物質の蓄積性という特性により、工場跡地などの再開発等に伴い顕在化する事例が増えている。
人は重金属をわずかしか代謝できないため、経口吸収等により急性中毒(発熱・腹痛・嘔吐・下痢・貧血・神経痛)や、肝硬変、脳障害、腎障害、カルシウム代謝異常(イタイイタイ病)、粘膜障害、神経障害、肺がん、中枢神経障害(水俣病)などを引き起こす。
環境省の「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」(1999)では、重金属等として、カドミウム、シアン、鉛、六価クロム、砒素、水銀、アルキル水銀、PCB、有機燐、チウラム、シマジン、チオベンカルブ、セレンの13項目を定めている。一部重金属以外も含まれるが、調査手法が共通するため、重金属等と「等」を付して分類している。