開発教育
[ カイハツキョウイク ]
南北問題や貧困、環境破壊など開発をめぐる諸問題を人類共通の課題と捉え、その構造を理解し、解決に向けて参加・行動することをめざした教育。
1960年代に盛んになった欧米先進国の開発途上国に対するボランティア活動に端を発する。初期の開発教育は、第二次大戦後に植民地支配からの独立を果たしたアジア・アフリカを中心とした開発途上国への支援を促す援助広報的な教育活動として行われてきたが、開発問題にかかわる議論が成熟するに従って、開発をめぐる問題が先に工業化した先進諸国との関係の中で構造的に起こっているとの認識が広まってきた。その根本的な解決には、援助活動を促進するだけでは適わず、先進工業国における日々のくらし方や経済社会のあり方を問い直し、変革していくことが重要と認識される。これに向けて、当事者として「共に生きることのできる公正な地球社会」の実現のために参加・行動することが開発教育の目標とされる。