欧州環境庁（EEA)は、4月5日、EU各加盟国における、EU排出量取引スキームの実施状況をとりまとめた報告書を公表した。
　「EU加盟国による排出量取引指令の適用」というタイトルの報告書は、排出量取引スキームの最初の4ヶ月間の実施状況を総括したもの。各加盟国がどのように排出量取引スキームを実施したのか、初めて、全体像を示すものである。
　EU指令上の報告義務に従い、各加盟国は、欧州委員会に調査票を提出している。回答に記入された事項は、スキームの規模、関与した国の当局、割当量の遵守を確保する方法、モニタリングや報告ガイドラインの適用方法、登録簿の運営方法、新規参入や撤退などの取り扱い、排出枠の法的な位置づけ、排出枠や排出量に関する情報へのアクセスなど。今回の報告書では、こうしたデータがまとめられている。
　また、排出量取引指令の運用上の課題などに関する意見も寄せられた。報告書によれば、加盟国は、排出量取引スキームの実施方法を改善するとともに、協調させることを望んでいるという。【欧州環境庁】