環境省は平成１８年６月１２日、国立環境研究所ホームページ内に設けた「熱中症予防情報」サイトから、都道府県ごとの１８年度の暑さ指数（ＷＢＧＴ：湿球黒球温度）予測値の提供を開始した。
　熱中症は「気温が高い・湿度が高い・風が弱い」といった条件が揃った時に体内で生まれた熱と、汗や熱伝導による熱放出とのバランスが崩れて障害が生じた状態のこと。重症になると死亡に至る場合もある。
　ヒートアイランド現象や地球温暖化の進展で発症のリスクが高まっているという指摘があり、猛暑であった１６年には、東京消防庁管轄下の熱中症による救急車での搬送人員数が統計開始以来の最高を記録した。
　なお「熱中症予防情報」サイトで示されている暑さ指数（ＷＢＧＴ）とは、熱環境の程度を表す指標として、人体の熱収支に影響の大きい気温・湿度・輻射熱の要素を取り入れたもので、提供情報は「３１度以上＝赤（危険度：運動は原則中止）」、「２８～３１度＝ピンク（危険度：厳重警戒）」、「２５～２８度＝黄色（危険度：警戒） 」、「２１～２５度＝黄緑（危険度：注意） 」、「２１度まで＝水色（危険度：ほぼ安全） 」に色分けされ、利用者が感覚的に危険度を把握できるよう工夫されている。
　なお１２日から提供された情報は、１７年度と同じく、３時間ごとの情報で当日と翌日の２日分の予測値だが、６月２７日からは１８年度からの新たな試みとして、東京、新潟、名古屋、大阪、福岡−−５都市の暑さ指数速報値のリアルタイムでの提供もあわせて実施される予定。
　同サイトにはこのほかにも、各消防局の協力による最新の熱中症患者発生状況、環境省が熱中症に関する最新の科学的知見や関連情報をまとめた「熱中症保健指導マニュアル」も掲載されている。【環境省】