【農林水産省】2006.09.06 発表
日本製紙(株)は平成18年9月6日、同社小松島工場(徳島県小松島市)に栽培面積500平方メートルの大型温室を建設し、「スギ花粉症緩和米」の実用化に必要な栽培実験を行うことを発表した。
花粉症はディーゼル排気ガスなどの大気汚染物質の影響によって、一層症状が悪化するといわれており、日本では昭和40年代後半から急に発症の報告が増えた病気。現在、国民のおよそ10数パーセントが花粉症を患者であると推定した研究もある。政府でも関係省庁担当者連絡会議を設置し、花粉症の諸問題について検討を行っている。
日本製紙の「スギ花粉症緩和米」の研究は、農林水産省の委託事業として、(独)農業生物資源研究所と共同で進められているもの。
ヒトの抗体が花粉を異物であると認識するために必要な部分「エピトープ」を、遺伝子組換え技術によって米の中に作り出し、この米を患者が定期的に摂取することにより、人間の体内の抗体に花粉が入ってきた状況を慣れさせ、アレルギー反応を抑えることをめざしている。体に対しての負担や副作用が少なく、効果の高い治療法になると期待されている。
今回建設が発表された大型温室では、温度と照明の制御により3期作が可能で、年間700キログラムの米が収穫可能とされている。
日本製紙では、組換え作物の栽培に必要な手続きを経た上で、07年1月から安全性試験や有効性試験などに使用される「スギ花粉症緩和米」を実際に栽培する予定。【農林水産省】
http://www.maff.go.jp/www/press/2006/20060906press_4.html
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