【イギリス】2006.11.29 発表
イギリスの海洋環境に対して、気候変動がこれまでに及ぼした影響および将来の展望などに関する報告書が、11月29日に発表された。
先月発表された「スターン報告書」に続くもので、この「海洋気候変動影響:年次報告書(ARC)」は、政府各省やNGO、学術団体などの関係者からなる海洋気候変動影響パートナーシップ(MCCIP)が作成した。この報告書は、気候変動が、特に生物多様性、水質保全と安全性、商業的な生産性などに重大な影響をもたらすことを示している。主な内容は以下のとおり。
●気候変動による海洋環境の大きな変化が見られる。これらの変化により、プランクトンから食物連鎖のトップに立つ海鳥にいたるまで、海洋エコシステムのすべての段階において、海洋生物の量、多様性、分布などが変化している。
●特に、海面温度の上昇は海洋エコシステムに影響しており、暖流のプランクトンが1000キロほど北上しているため(寒流の生物も同じく1000キロほど北上)、イギリスの海域で暖流の魚が増加してきている。
●海洋エコシステムは様々な部分で複雑に相互作用しており、この変化がいかなる影響をもたらすかについてはまだ明らかになっていない。【イギリス環境・食糧・農村地域省】
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