【総務省】2007.03.28 発表
公害等調整委員会裁定委員会(加藤和夫裁定委員長)は平成19年3月28日付けで行った、富山県黒部川・出し平(だしだいら)ダムからの排砂とワカメ養殖・漁業の因果関係についての原因裁定結果を19年5月8日までに同委員会ホームページに掲載した。
今回の原因裁定は、黒部川河口以東の沿岸海域でワカメ栽培を行う栽培組合と刺し網漁業を営む漁民13名が関西電力を訴えた件に関係して、裁判を担当する富山地方裁判所から公害等調整委員会に原因裁定を求める嘱託があったことを受けて行われたもの(注1)。
原告の漁民らは、平成3年12月以降、出し平ダムのダム底に堆積した土砂を関西電力が継続して黒部川に排砂したことにより、河口海域の魚類・海草類の生育環境が破壊され、平成4年以降漁獲量・収穫量の減少が続いていると主張していたが、公調委の原因裁定結果は、栽培組合が行ってきたワカメ養殖不振の原因を出し平ダムの排砂によるものと認めた一方、刺し網漁業の漁獲量減少に関しては、排砂との因果関係はないとした。【総務省 公害等調整委員会】
(注1)公害紛争処理法第42条の32項では、公害に関する民事訴訟の受訴裁判所は、必要に応じ、公害等調整委員会(中央委員会)に原因裁定を嘱託することができるとしている。今回の原因裁定は裁判所がこの原因裁定嘱託制度を初めて活用した事例。
http://www.soumu.go.jp/kouchoi/substance/news/announce/hodou_toyama-index.htm
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