【宮内庁】2007.06.24 発表
天皇・皇后両陛下は平成19年6月24日に北海道苫小牧市の「つた森山林」隣接地で開催された第58回全国植樹祭にご出席され、天皇陛下がお言葉を述べられた。
お言葉は、18年に訪問したえりも岬では、地域の人々が苦労して植林した林のおかげで、不漁だった沿岸の昆布が育つようになったことを挙げ(注1)、沿岸の環境保全にも寄与している森林の「さまざまな機能に対する人々の理解を深め、生かしていくことが極めて大切」と指摘されたほか、全国植樹祭が森林や木々を愛する心を培う契機となることへの期待を述べられた。
全国植樹祭は国土緑化運動の中心行事として、昭和25年以来毎年実施されているイベント。国民の森林に対する愛情、森林資源確保、国土保全、環境保全を促すことを目的として、天皇皇后両陛下のお手植えをはじめ、全国からの参加者による記念植樹が行なわれている。【宮内庁】
(注1)北海道えりも岬の国有林は明治時代からの開拓、放牧により、かつては「えりも砂漠」と言われるほど森林が荒廃。流出した土砂が海水を汚濁し、昆布や魚介類の水揚げが減少するなど周辺の自然環境も悪化していた。
このため、林野庁は昭和28年度から旧浦河営林署(現日高南部森林管理署)に「えりも治山事業所」を開設し、地域の関係者と緑化事業を開始。昭和45年度には草を根付かせる「草本緑化」を完了し、平成14年度までにはさらに181ヘクタールに及ぶ
クロマツを主体とした海岸林を蘇らせた。また緑化の結果、海水の汚濁の改善、漁獲量増加などの成果も得られている。
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