【原子力安全・保安院】2007.08.23 発表
東京電力(株)は、(1)平成19年8月22日に、柏崎刈羽原発各プラント内の新潟県中越沖地震(注1)関連のトラブルとして5号機防油堤内のひび割れが新たに確認されたこと、(2)8月21日から23日にかけて実施した1号機原子炉圧力容器の第1段階点検(注2)で点検範囲に損傷・変形・脱落などの異常は確認されなかったこと−−を19年8月23日付けで原子力安全・保安院に情報提供するとともに、(3)地震発生直後に3号機の変圧器で発生した火災の原因を同日、保安院に報告した。
報告によると、3号機の変圧器の火災は、変圧器周辺が地震で沈下したことにより、ダクトが落下し、その影響で漏えいした油に、地絡・短絡電流による火花が引火し、火災に至ったという。
なお原子力安全・保安院はこの情報提供・報告内容を踏まえ、23日中に、9月3日から4週間かけて実施する特別な保安検査でも炉内構造物を含めた設備の損傷状況を確認し、「中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会」の「運営管理・設備健全性評価ワーキンググループ」で詳細な検討を行うこと、3号機所内変圧器の火災原因について今後厳正に評価していくこと、1号機・7号機の原子炉圧力容器の点検実施にあたって同院としても損傷や有意な変形などの確認をしていくこと−−を示すとともに、これまでに東京電力が調査したプラント状況の事実確認作業を現地の保安検査官が行っていること、柏崎刈羽原発の主排気筒放射線モニタやモニタリングポストに、異常値が確認されていないことをあきらかにしている。【原子力安全・保安院】
(注1)新潟県中越沖地震は19年7月16日、柏崎刈羽発電所から約9キロメートル離れた新潟県中越沖を震源として、マグニチュード6.8の規模で発生した地震。当時柏崎刈羽原発の1号機、5号機、6号機は停止中だったが、運転を行っていた2号機、3号機、4号機、7号機は自動停止した。
(注2)1号機原子炉圧力容器の点検は、第1期の原子炉上部点検の後、第2期の原子炉中間部(炉心部)点検、第3期の原子炉底部点検の順に実施予定で、第2期の原子炉中間部(炉心部)点検は19年9月中旬頃から開始するとされている。また東電は、7号機の原子炉圧力容器についても10月中に点検を開始する予定。
http://www.meti.go.jp/press/20070823003/20070823003.html
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