【アメリカ】2008.05.01 発表
EPAは5月1日、鉛の大気質基準を30年ぶりに強化することを提案した。
今回の改正案は、鉛やその健康影響に関する最新の科学的知見を反映したもので、ヒトの健康に関する第1基準を80~93%強化するよう勧告する。現行基準は、1.5マイクログラム/m3だが、新基準では0.10~0.30マイクログラム/m3となる。なお、EPAは、代替案として、0.10~0.50マイクログラム/m3とする案についても意見を求める。
1980年以降、大気中に排出される鉛の量は98%近く減少したが、これはEPAがガソリン中の鉛を廃止した効果が大きい。今日では、製鉄所や鋳物工場、航空用燃料等様々なところが排出源となっており、EPAの最新の推計によれば、毎年大気中に排出される鉛の量は約1300トンに上る。
鉛が健康や環境に及ぼす影響を調べた研究は、1990年以降、6000件以上に上るが、血液中の鉛濃度が以前考えられていたよりかなり低いレベルでも、被害が生じることが分かってきた。鉛による健康被害は、中核神経や心血管、腎臓、免疫システムへの影響など様々で、特に子供は影響を受けやすい。
なお、鉛は、植物、さらに鳥類や哺乳類等の生殖・成長にも有害な影響を及ぼすおそれがあることから、EPAでは、第1基準に準じて、環境を保護するための第2基準も提案している。【EPA】
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