【EU】2008.05.06 発表
欧州委員会は、EU廃棄物指令に違反したとして、イタリアを欧州司法裁判所に提訴することを決定した。
同指令は、EU加盟国に対し、環境や健康を脅かすことなく廃棄物をリカバリーまたは処分するとともに、適切な処理施設網を整備するよう義務付け、廃棄物を放置したり、許可無く処分したりすることを禁じている。
ところが、イタリアのカンパニア州、ナポリでは、2007年春、数週間にわたって廃棄物の回収がストップしてゴミが路上に放置され、学校が閉鎖される、いらだった住民が路上でゴミを燃やすといった事件が発生。放置されたゴミやゴミの野焼きが、深刻な健康・環境リスクを引き起こした。その後、2007年12月にも同様の事態が発生した。最近は、イタリア政府が同州の「廃棄物緊急委員」を新たに任命し、また、2007年12月末には新しい廃棄物処理計画も採択され、路上からゴミが消えつつある。
しかし、カンパニア州は未だ、効果的な処理システムを構築したというには程遠い状況で、イタリア政府も、分別回収施設や埋立処分場、焼却施設など同州に必要な施設をいつまでに建設し、操業を開始するのか、具体的なスケジュールを示せないでいる。
欧州委員会は、これまで、ナポリ周辺に調査団を派遣したり、イタリア政府に文書での警告を送付したりしてきたが、今回、正式に欧州司法裁判所に提訴することとした。
カンパニア州での違反事例に加え、ラツィオ州で廃棄物処理計画が採択されていないことも提訴の理由に挙げられている。【欧州委員会環境総局】
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