【アメリカ】2008.09.02 発表
ミシシッピデルタで計画されていた、治水のためのヤズー・ポンプ事業について、EPAは、水質浄化法に基づき、不許可とする最終決定を下した。
ミシシッピ川とヤズー川にはさまれた地域の洪水削減事業は、最初、1941年に許可され、連邦政府の補助で陸軍工兵隊が実施している。ポンプ事業は、ミシシッピ川が高水位となる時期に、デルタ南部で雨水をくみ上げるために計画され、建設費は2億2000万ドル、操業費は年間200万ドルと見込まれていた。
一方、ヤズー川後背水域は、アメリカ国内で最も豊かな湿原の一つで、魚類や野生生物の貴重な生息地となっている。EPAは、ポンプ事業が環境に及ぼす影響を評価し、野生生物や経済活動、レクリエーション活動のための貴重な資源に許容しがたい被害をもたらすと結論付けた。
不許可決定を受けて、EPAのグランブルズ長官補(水担当)は、洪水削減、環境保全、税金の節約に役立つよりよいプロジェクトを見出すため、支援を続けていくとコメントした。
水質浄化法に基づき、EPAは、国内の特定の水域の利用(浚渫物の排出、埋立等)を禁止、制限、拒否することができるが、EPAがこの権限を行使したのは、1972年に同法が成立してから11回だけである。【EPA】
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