【国連】2008.12.03 発表
「移動性野生動物種の保全に関する条約(ボン条約)」の第9回締約国会議において、クジラやイルカなどへの海洋騒音の影響が議題に上っている。
野生生物関係のNGOによると、船舶数の増加や海底地質調査の増加、新しいタイプの軍事用ソナーの登場により、海の騒音問題が深刻化しており、特に、音を利用してコミュニケーションをとったり、餌を探したりしている海洋哺乳類には脅威が増しているという。さらに、化石燃料の燃焼によるCO2濃度の上昇により、人間の活動に伴う騒音レベルが増加するという懸念も浮上してきている。CO2濃度の上昇に伴い、海洋の酸性化が指摘されているが、アメリカのモンテレー湾水族館研究所の研究者によると、海洋の酸性化は海中の騒音を悪化させる可能性がある。
実際、海水の化学的な組成の変化により、産業革命前と比べ、海水の低周波の騒音を吸収する力は10%減少している可能性があるという。
今回の会議で、野生生物関係のNGOは、政府と産業界に対して、騒音の少ない船舶用エンジンの採用、石油・ガス探査のための地質調査に関する厳しいルールの導入、低干渉性の軍事用ソナーの採用を求めている。また、欧州共同体も、海洋騒音問題に関する決議案を提出している。【UNEP】
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=553&ArticleID=6008&l=en
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