【カナダ】2008.10.17 発表
カナダ政府は、ビスフェノールA(BPA)を含んだポリカーボネート製の哺乳瓶の輸入・販売・広告を禁止する規則案の策定を直ちに進める方針を発表した。環境中に排出されるBPAの量を制限する対策も講じる予定である。クレメント保健大臣は、カナダがこの問題で法的な規制措置を講じる、世界で最初の国になるとコメントしている。
ただし、BPAの評価では、一般市民が心配する必要は無いとされ、まずは、新生児と18ヶ月未満の乳幼児への影響に着目している。
新生児や乳幼児の最大の曝露源はポリカーボネート製の哺乳瓶であり、熱湯を入れるなど高温で、瓶からBPAが移行した場合だという。評価では、新生児や乳幼児によるBPAへの曝露は、影響が生じるようなレベルではないとされたが、低用量のBPAによる影響の可能性に関する研究もいくつかあることから、カナダ政府としては、新生児・乳幼児の対策を強化することとした。
なお、カナダ環境省の科学者によると、BPAは、排水、埋立処分場の漏出水等を通じて環境中に排出されている。酸素が不足した状況では分解に時間がかかること、また、全国で広く使用されていることから、BPAが水中に蓄積し、魚類その他の生物に被害をもたらす可能性も考えられる。カナダ政府は、今後3年間で170万カナダドルをBPAの研究事業に充てるとしている。【カナダ連邦環境省】
http://www.hc-sc.gc.ca/ahc-asc/media/nr-cp/_2008/2008_167-eng.php
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