【カナダ】2002.05.29 発表
五大湖の残留性有害物質削減を目指した10年計画「五大湖二国間有害物質戦略(Great Lakes Binational Toxics Strategy :GLBTS)」が、中間点の5年目を迎えるのに際して、6月29日、カナダ・アメリカ両国の政府、関係者などが会合を開く。
GLBTは、連邦・州政府・市当局、先住民グループ、産業界そしてNGOが協力して五大湖の汚染問題に対処するメカニズム。削減目標の対象は、DDT、ダイオキシン、フランなど、魚類や野生生物に長期的に有害な影響を与える12種の物質。1997年に設定された削減目標には、90%の削減をめざしたものもあるが、その目標のほとんどは2006年までに達成されると推測され、さらに削減目標を上回るものもある。
会合に先立ち、両国の代表は声明を発表。カナダのアンダーソン環境大臣は「削減目標の達成は、産業界、政府、そして非政府組織の自主的な参加と協力によるものであり、GLBTは環境保護がいかにして達成できるかを示す素晴らしい例である」と述べ、アメリカのホイットマンEPA長官も、「21世紀の環境問題はパートナーシップがますます重要になるだろう」と語り、両者とも環境問題への協力の重要性を強調した。
GLBTSは今後、その対象を広げ、個人が引き起こす環境問題も扱う予定。特に注目されるのが、家庭のゴミの焼却。これは、カナダ環境省によれば、医療廃棄物、鉄の焼却に続いて、オンタリオ州における第3番目のダイオキシンとフランの原因である。オンタリオ州の農村部の住民3人に1人が、昨年ゴミを焼却したと答えている。GLBTSによる家庭のゴミ焼却問題への取組みは、カナダ全体のダイオキシン・フラン問題の基準作りのモデルともなっている。
問い合わせ先
EPA:Edwin (Ted) Smith smith.edwin@epa.gov
カナダ環境省:Alan Waffle Alan.Waffle@ec.gc.ca
【カナダ連邦環境省】
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