【国連】2003.05.22 発表
ウクライナのキエフで開催中の第5回汎欧州環境閣僚会議において、東欧・中央欧州諸国の大臣が、「カルパチア山脈の保護及び持続可能な開発に関する枠組み条約(Framework Convention on the Protection and Sustainable Development of the Carpathians)」に署名した。署名国はチェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、セルビア・モンテネグロ、スロバキア及びウクライナである。
欧州中部のカルパチア山脈は、20万平方キロメートルに及び(アルプス地域より10%広い)、多くの貴重な動植物が生息している。欧州に生息する植物の3分の1が観察され、かつ481種はこの地域にしか見られない固有の植物である。また、クマ、オオカミ、オオヤマネコなど、欧州の他の地域では貴重となった多くの動物が生息している。
同地域における主な課題として、貧困と失業が挙げられる。今回の条約は、環境保護に加え、持続可能な開発を通じて地域の人々にメリットをもたらすことも念頭においている。また、水源や河川の管理の改善、持続可能な農業・林業・交通・産業・インフラストラクチャーを促進すること、文化遺産の保全と伝統的な知識の維持も目標に含まれている。
さらに、同条約は環境に関する「ベスト・プラクティス」の普及も支援していく。具体的には、汚染者負担原則の適用、公衆や関係者の参加、越境協力、エコシステム的アプローチなどが含まれている。
同条約の草案は、1991年のアルプス条約をもとにしている。交渉段階では、イタリア政府からの資金提供を受け、UNEP及びWWFの協力を得た。【UNEP】
http://www.unep.org/Documents/Default.asp?DocumentID=318&ArticleID=3984
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